卵・生クリームなしのミルクジェラート|鍋で作れる、失敗しない節約レシピ

卵・生クリームなしのミルクジェラート
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卵も生クリームも使わずに、牛乳と少しの油で作る”節約版”のミルクジェラートです。本格的に作るなら生クリームですが、こちらは気軽に、家にある材料で。ブレンダーもアイスクリームメーカーもいりません。なぜ生クリームなしでもなめらかに作れるのか、そのしくみもあわせて紹介します。

生クリームもブレンダーもなしで、鍋で作れます

元にした作り方は電子レンジとブレンダーを使いますが、私はおなべとスプーンで作りました。レンジは吹きこぼれやすく、ブレンダーは持っていなかったからです。この2つでも、じゅうぶんなめらかに作れます。

甘みははちみつ・メープルシロップ・水あめのどれかでOK。油は圧搾しぼりの国産なたねサラダ油を使いました(太白ごま油や米油でも作れます)。特別な材料はいりません。

なぜ生クリームなしで作れるの?(節約版のしくみ)

お菓子作りで油を使うのは、実は珍しいことではありません。たとえばシフォンケーキ。あれはバターではなく、サラダ油や太白ごま油といった液体の油で作るお菓子です。バターを使うと生地が重くなって、あのふんわりした高さが出ないからなんですね。
このジェラートも同じ考え方で、生クリームの代わりに油を使っています。

ジェラートのなめらかさの正体は脂肪です。脂肪の粒が、凍るときにできる氷の結晶が大きくなるのをジャマして、舌ざわりをなめらかにしてくれます。だからこだわる人は、乳脂肪分の高い生クリームを使うわけですね。
ただし、このなめらかさという点では、生クリームにはかないません。油で作るこのレシピは、そこは一歩ゆずります。

お菓子作りでコクを出す脂肪には、大きく2種類あります。ひとつは生クリームやバター(どちらも牛乳の脂肪=動物性)。もうひとつは、太白ごま油・なたね油・米油などの植物油です。ショートケーキはバター、本格的なジェラートは生クリーム——どちらも乳脂肪でリッチ。いっぽう、シフォンケーキやキャロットケーキは油で作り、しっとり軽やかに仕上がります。

そのほかの材料にも役割があります。コーンスターチは、市販アイスの増粘剤や、本来の卵黄と同じ「とろみ・安定剤」の代わり。自由に動ける水分を減らして、大きな氷の結晶ができるのを防ぎます。はちみつ・メープル・水あめは、凍る温度を下げて、やわらかくシャリシャリしにくくする働きです。

甘味は、水あめがいちばん手ごろです
はちみつやメープルシロップは、どうしても値が張ります。同じように凍る温度を下げてくれて、しかも手に入れやすいのが水あめです。安く作りたいときは、水あめを選んでみてください。

余っても使い道はあります。煮物や佃煮のつや出し、照り焼き、大学いも。パンやお菓子に少し加えると、しっとりと仕上がります。
保存は、開封後は冷蔵庫(10℃以下)へ。冷やすと固くなって出しにくくなりますが、しばらく常温に置けば元に戻るので、慌てて温めなくても大丈夫です。

これって本当に節約になるの?

「油だって安くないよね?」と思ったので、そこも正直に。ポイントは使う量です。このレシピで使う油は大さじ数杯ほど。ボトル1本のうち、ほんの少ししか使いません。いっぽう生クリームは、1回で1パックをほぼ使い切ります。つまり「生クリームを1パック買わずに、普段づかいの油を少しだけ使う」から、経済的なんです。

ただ、正直に言っておきます。生クリーム(乳脂肪の高い動物性)で作れば、コクも口どけも、この節約版よりワンランク上のジェラートになります。そこは間違いありません。でも、生クリームを買うと材料費が一気に上がって、「それなら市販の上等なアイスを買ったほうが安いくらい」にもなりがち。手作りで”お得”になるのは、身近な油で作るからこそ。だからこの記事は、「生クリームを買わずに、気軽に作りたい日」の一杯として読んでもらえたらうれしいです。

材料(牛乳600ml・約4〜6人分)

材料分量
牛乳600ml
グラニュー糖(または上白糖)55g
コーンスターチ大さじ2(約17g)
はちみつ・メープル・水あめ のどれか20g
なたねサラダ油(圧搾しぼり・国産)40g
牛乳(仕上げ用)40ml

甘みのはちみつ・メープルシロップ・水あめは、どれを使ってもOK。牛乳は「g」でも「ml」でも大丈夫です。牛乳は一般的なものでも十分おいしくできますが、乳脂肪分が高いものにすると、よりコクが出て濃厚になります。

油は、クセのないものを使ってください。私は気分で、圧搾タイプのなたね油・太白ごま油・米油を使い分けています(1本使い切ってから、次の種類へ)。圧搾は私のこだわりですが、クセのない油なら、ふつうのサラダ油でも作れます。

ただし、香りの強い油(焙煎タイプの菜種油など)は風味が変わるので避けてください。サラダ油はもともと生でも使える油なので、加熱せずそのままでOKです。

「なたね油」と「なたねサラダ油」は別のものです
JAS(日本農林規格)では、「なたね油」は「なたね特有の香味を有し」と規定された香りの立つタイプ。「なたねサラダ油」は「舌触りよく」と規定され、低温でも固まりにくいように処理されたものと決められています。私が使っているのは圧搾しぼりの国産なたねサラダ油。クセがなく、冷たいお菓子にも向いています。

作り方

①火にかける前に、ダマなく混ぜる
おなべに、まずコーンスターチとグラニュー糖を入れてよく混ぜます。そこへ牛乳を少しだけ注いでよく混ぜ、なめらかになったら、残りの牛乳を少しずつ加えながら混ぜていきます。甘味(はちみつなど)もここで加えます。先に粉どうしを混ぜ、牛乳を少しずつ加えるのが、ダマ(粉っぽさ)を防ぐコツです。

コーンスターチと砂糖に牛乳を加えて混ぜているところ
まず粉と牛乳をよく混ぜて、ダマを防ぎます。

②しっかり火を通す
弱め〜中火にかけ、ゴムベラ(または木べら)で鍋底からずっと混ぜ続けます。だんだん重たくなって、とろみがついてきます。ふつふつ、ポコポコと泡が上がってきますが、そこで止めずにそのまま混ぜ続けてください。目安は、ゴムベラで鍋底をさっと撫でたときに、鍋底が一瞬見えるくらいのとろみ。とろみがついてから2〜3分、ここまでは必ず火を通してください。とろみがついただけで火を止めると、粉に火が入りきらず粉っぽい仕上がりになります。心配なときは少し味見を。粉っぽさが残っていたら、もう少しだけ加熱してください。

とろみがついた後は鍋底が焦げつきやすくなります。強火にせず、混ぜる手を止めないのがコツです。混ぜ続けていれば吹きこぼれません。

ここから先は、お好みで
粉に火が通ったら、あとは自由です。このまま火を止めれば、軽い口当たりに。そこからさらに煮詰めていくと、水分が抜けてしっとり濃厚になります。私が半分くらいまで煮詰めたときは、しっとりとして特においしくできました。
ただし、煮詰めるほどできあがりの量は減りますし、甘みも強く出ます。

というのも、牛乳に砂糖を加えて煮詰めたものが、コンデンスミルク(加糖練乳)だからです。コンデンスミルクは牛乳を約3倍まで濃縮したもの。半分の量まで煮詰めると約2倍ですから、ちょうどその手前あたりまで近づいていることになります。濃厚になるのも、甘く感じるのも、当たり前だったんですね。

濃厚さを取るか、量を取るか。そのバランスで決めていただくのがいいと思います。どちらもおいしいので、その日の気分で選んでみてください。

牛乳ベースを弱火で加熱してとろみがついた状態
とろみがついてから、さらに2〜3分火を通します。

③冷めてから、油を加える
火から下ろして、粗熱がとれて「ぬるく〜冷めた」ころに、なたねサラダ油40gと仕上げ用の牛乳40mlを加えます。

ここでひとつコツがあります。油をそのまま入れると浮いてしまい、なかなか混ざりません。牛乳と油を別の器に入れて先に混ぜ、白っぽく乳化させてから流し込むと、きれいになじみます。混ざったら、そのまま冷凍庫へ。

牛乳となたね油を泡立て器で混ぜて乳化させたところ
仕上げ用の牛乳40mlと油40gを、先に混ぜて白っぽく乳化させます。
ジェラートの生地をバットに移し、保冷剤で冷やしているところ
バットに移して、保冷剤で早く冷まします。

④浅い容器で冷凍
粗熱をとり、浅く広い容器に流して冷凍庫へ。金属面や冷凍庫の壁に接するように置くと、早く凍ります。

⑤スプーンでこまめに混ぜる
フチが凍り始めたら(60分前後が目安)、底からスプーン(またはフォーク)で崩して混ぜます。以後1時間おきにくり返し、全体が固まったら完成です。

なめらかに作る、3つのコツ

ブレンダーがなくても、次の3つでなめらかに仕上がります。

・コーンスターチは、とろみがついてから2〜3分しっかり火を通す(生煮えだと粉っぽく、氷っぽくなります)
・浅く広い容器で、早く凍らせる
・凍る途中で、スプーンでこまめに混ぜる(1時間おき)

食べる10〜15分前に冷凍庫から出すと、ちょうどよいやわらかさになります。

アレンジも自由自在

基本のミルク味ができれば、アレンジもいろいろです。ジャムを混ぜたり、ラムレーズンを入れたり。お好みで楽しんでください。

コツはひとつだけ。水分を増やさないことです。水が増えれば、そのぶん氷が増えて、シャリシャリした口当たりになります。
粉ものやインスタントコーヒーは、温かいうちに溶かせばきれいに混ざります。

ラムレーズンの作り方は、こちらでくわしく紹介しています。

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コーヒーミルク味の作り方は、こちらです。

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正直なデメリットと、向かない人

いいことばかりではないので、正直に。これはあくまで節約版。生クリームで作る本格的なジェラートの濃厚さそのものではなく、気軽で軽い口当たりです。

・生クリームのような濃厚さを求める人には物足りないかも(こだわるなら生クリームがおすすめ)
・すぐには食べられない(凍らせるのに数時間かかります)
・ブレンダーなしだと、途中で数回スプーンで混ぜる手間がある
・電子レンジで作ると吹きこぼれル可能性も(おなべが安心です)

逆に、生クリームを買わずに気軽に作りたい人、市販のアイスより材料をシンプルにしたい人には、ぴったりだと思います。

あると便利な道具

特別な道具はいりません。おなべ・泡立て器・スプーン・浅い容器があれば作れます。私は、ステンレスのバットにラップをかけて冷凍し、固まったらコンパクトな容器に移し替えています。家にあるもので十分作れますが、使いやすいステンレスやホーローの容器をお持ちの方は、ぜひそちらを(浅くて冷えやすいものだと、なめらかに仕上がります)。

混ぜるのに使ったゴムベラについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

まとめ

生クリームを使わなくても、牛乳と少しの油で、なめらかなミルクジェラートが作れます。ポイントは、コーンスターチにしっかり火を通すこと、油は冷めてから加えること、凍る途中でスプーンでこまめに混ぜること。この3つを押さえれば、道具がそろっていなくても、おうちでおいしく作れます。

卵も生クリームも使わず、家にある材料で作れる、気軽なジェラートです。コスパもよく、暑い日のおやつにぴったり。ぜひ、作ってみてくださいね。

※仕上がりの盛り付け写真は、次に作ったときに追加します。まずは工程写真つきでご紹介します。

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