スチーム式の加湿器は「電気代が高い」とよく聞きます。実際にいくらなのか、はっきりした数字を知らないまま使っている人も多いと思います。
わが家では象印のスチーム式加湿器を使っています。この記事では、象印の公式スペックの消費電力をもとに、1時間・1か月の電気代を計算しました。比較のために、気化式の公式スペックも並べています。
先に結論です。象印EE-DG35(3.0Lタイプ)を1日8時間使った場合、電気代は1か月あたり約2,270円です。気化式と比べるとはっきり高いので、それでも選ぶ理由もあわせて正直に書きます。
象印スチーム式の消費電力は何ワット?
象印の公式サイト(EE-DG35・50のページ)に載っている仕様は次のとおりです。
| EE-DG35 | EE-DG50 | |
|---|---|---|
| タンク容量 | 3.0L | 4.0L |
| 消費電力(湯沸かし立ち上げ時) | 985W | 985W |
| 消費電力(加湿時) | 305W | 410W |
| 定格加湿能力 | 350mL/h | 480mL/h |
| 適用床面積(木造和室/プレハブ洋室) | 6畳/10畳まで | 8畳/13畳まで |
| 連続加湿時間(強/中/弱) | 約8/16/32時間 | 約8/16/32時間 |
※前モデルのEE-DF35・50も、公式サイトの消費電力は同じ数値です。また、2026年9月発売の新モデルEE-TC60(4.0L)は、加湿時450W、定格加湿能力600mL/hです。適用床面積は木造和室10畳・プレハブ洋室17畳までで、下の電気代の表にも並べました。
スチーム式は、水をお湯にして蒸気を出します。水を温めるぶん電気を使うので、電気代の中心は「加湿時の消費電力」です。
運転を始めてお湯が沸くまでの間だけ、985Wが一時的にかかります。この立ち上げにかかる時間は、公式ページでは確認できませんでした。この記事の計算では、すべての時間を加湿時の消費電力で計算しています。
電気代を計算してみた(1時間・1か月)
電気代は「消費電力(kW)×使う時間×電力料金の単価」で計算できます。単価は、家電メーカーのカタログでよく使われている目安単価31円/kWhを基準にしました。電気料金は契約プランや時期で動くため、27円・35円の場合も並べています。自分の単価に近い行を見てください。パナソニックやダイキンの公式ページも、同じ31円で電気代を載せています。
| 電力単価 | 1時間 | 1か月(1日4時間) | 1か月(1日8時間) | 1か月(1日12時間) | |
|---|---|---|---|---|---|
| EE-DG35(305W) | 27円/kWh | 約8.2円 | 約990円 | 約1,980円 | 約2,960円 |
| EE-DG35(305W) | 31円/kWh(目安単価) | 約9.5円 | 約1,130円 | 約2,270円 | 約3,400円 |
| EE-DG35(305W) | 35円/kWh | 約10.7円 | 約1,280円 | 約2,560円 | 約3,840円 |
| EE-DG50(410W) | 27円/kWh | 約11.1円 | 約1,330円 | 約2,660円 | 約3,990円 |
| EE-DG50(410W) | 31円/kWh(目安単価) | 約12.7円 | 約1,530円 | 約3,050円 | 約4,580円 |
| EE-DG50(410W) | 35円/kWh | 約14.4円 | 約1,720円 | 約3,440円 | 約5,170円 |
| EE-TC60(450W) | 27円/kWh | 約12.2円 | 約1,460円 | 約2,920円 | 約4,370円 |
| EE-TC60(450W) | 31円/kWh(目安単価) | 約14.0円 | 約1,670円 | 約3,350円 | 約5,020円 |
| EE-TC60(450W) | 35円/kWh | 約15.8円 | 約1,890円 | 約3,780円 | 約5,670円 |
※1か月は30日で計算した、わたしの試算です。公式が発表した電気代ではありません。実際の電気代は、契約しているプランや地域の単価で変わります。電気料金は変動するため、表の単価は目安として見てください。
ここから分かることは3つです。
・1時間あたりは約10円。数字だけ見ると小さく感じます。
・毎日8時間使うと月2,000円台。冬のあいだ続くと、地味に積み上がります。
・3.0Lの35と4.0Lの50では、月に約780円の差。(1日8時間の場合)部屋に対して大きすぎるサイズを選ぶと、電気代でも損をします。
自分の電気料金の単価が分かっている方は、「0.305×使う時間×30日×単価」(EE-DG50は0.41)で、自宅の数字を出せます。
気化式と比べると、電気代はどれくらい違う?
ほかの加湿方式の例として、パナソニックの気化式(ヒーターレス気化式加湿機 FE-KXW07)の公式スペックを見てみます。
| 消費電力 | 1時間の電気代(目安) | |
|---|---|---|
| パナソニック FE-KXW07(気化式)「強」 | 14W | 約0.44円 |
| 象印 EE-DG35(スチーム式) | 305W | 約9.5円 |
気化式の強運転は、1時間約0.44円(パナソニックの公式ページの数字)です。1日8時間・30日で計算しても、1か月100円ちょっとです。スチーム式との差は、20倍以上あります。
つまり、電気代だけで選ぶなら、気化式が圧倒的に有利です。ここは、はっきりお伝えしておきます。
ちなみに、空気清浄機と加湿器が一体になったタイプは、空気清浄の運転と一緒に加湿します。ダイキンのMCK554A(加湿ストリーマ空気清浄機)の公式ページでは、加湿空気清浄運転時の消費電力は8W〜72Wです。こちらも、スチーム式よりずっと低い数字です。
それでもわが家がスチーム式に落ち着いた理由
わが家は、これまでに加湿器を3台使ってきました。最後に選んだのが象印のスチーム式です。電気代が高いと分かっていて、それでも選んだ理由は、お手入れのしやすさです。
以前使っていた空気清浄機一体型は、加湿フィルターの手入れが地味に面倒でした。洗っても雑菌のにおいが気になることがあり、そのうち加湿機能を使わなくなってしまいました。(空気清浄機としては今も現役です。わが家には合わなかった、というだけの話です。)
象印のスチーム式は、公式ページにも「フィルターがないため、フィルター掃除は不要」とあります。広口の容器をサッと拭き、クエン酸洗浄モードでお手入れするだけです。手入れが続くかどうかは、加湿器を毎日使ううえで、電気代と同じくらい大事だと感じています。
電気代は月2,000円台。そのぶん、手入れの手間が少ない。わが家では、そこを納得して使っています。
▶ 3台使い比べた体験談と、加湿方式の違いはこちらにまとめています。

電気代を抑えたいなら、気をつけたいこと
公式スペックから確実に言えることだけ、挙げます。
・部屋に合ったサイズを選ぶ。6畳(木造和室)までなら35、8畳までなら50が目安です。大きいほうを選ぶと、消費電力が305Wから410Wに上がります。
・使う時間を決める。電気代は時間にほぼ比例します。8時間から4時間にすれば、計算上は半分です。寝る前の1〜2時間だけ、などの使い方もできます。
スチーム式が向いている人・向かない人
向いている人
・加湿器の手入れ(フィルター掃除など)を、なるべく簡単にしたい人
・電気代より、手入れのしやすさや使い続けやすさを重く見る人
・毎日長時間ではなく、必要な時間だけ使う人
向かない人
・電気代をできるだけ抑えたい人(気化式のほうが、ずっと安いです)
・朝まで長時間つけっぱなしにしたい人(そのぶん電気代がかさみます)
・本体のサイズが気になる人(EE-DG35は約24×27.5×32.5cm、2.7kgです)
まとめ
・象印EE-DG35の加湿時は305W。1時間約9.5円、1日8時間で1か月約2,270円(目安単価31円/kWhでの試算)。
・EE-DG50は410Wで、1か月約3,050円。35との差は月に約780円。
・気化式(パナソニックFE-KXW07)は、1時間約0.44円。電気代だけなら気化式の圧勝です。
・それでもスチーム式を選ぶ理由は、フィルターがなく手入れが簡単だから。
電気代を取るか、手入れの手間を取るか。どちらが自分の暮らしに合うか、考える材料にしてもらえたらうれしいです。
