電気ケトルを買うとき、容量で迷いませんか。0.8Lか、1.2Lか。大きいほうが後で困らない気もするし、でも大きすぎても置き場所に困る。
わが家はこれまでに、0.8L → 1.7L → 1.2L → 1.0Lと、容量を行ったり来たりしてきました。旅行のときだけ持ち歩いていた400mlのミニケトルもあります。そのうえでの結論を先に書きます。
容量は「何人家族か」だけでは決まりません。人数はもちろん効きます。でもそれと同じくらい、何に、どのくらいの頻度で使うかで変わります。
先に結論:1.7Lは、うちには要りませんでした
2010年に1.7Lのケトルを買って、5年ほど使いました。大は小を兼ねる、と思って選んだのですが、結局そんなに入れて沸かすことがありませんでした。
今使っているのは細口タイプの小さなケトルです。コーヒーをいれるのに、湯を細く注げるほうが合っていたからです。1.7Lから0.5L減らしましたが、困ったことは今のところありません。
わが家のケトル、20年の記録
| 買った年 | 容量 | もの | 値段 | どのくらい使ったか |
|---|---|---|---|---|
| 2006年 | 0.8L | Bodum | 6,825円 | 約2年で壊れた |
| 2008年 | — | (メーカー名は伏せます) | 1,980円 | 約2年で壊れた |
| 2010年 | 1.7L | デロンギ | 5,110円 | 5年ほど |
| 2016年ごろ | 1.2L | ラッセルホブス カフェケトル1.2(7412JP) | 1万円弱 | 10年目・現役 |
| 最近 | 1.0L | デロンギ アイコナ 電気カフェケトル(KBOE1220J) | — | いまは出番なし |
※今使っている1台は本体の表示が「2016年製」でした。メーカー公式の廃番一覧を見ると、このカフェケトルはすでに廃番になっています。
並べてみて、自分でも意外でした。値段の順にはなっていません。6,825円のものも、1,980円のものも、どちらも約2年で壊れています。5,110円のものが5年ほど。そして今の一台だけが、10年以上動いている。
値段を出せば長持ちする、というわけではありませんでした。最初の3台は2〜5年で入れ替わり、4台目から急に長くなった。使い方でも変わるので断定はできませんが、わが家ではこういう20年でした。
ただ、いちばん高かった一台が、いちばん長く動いているのも事実です。値段と寿命は無関係ではないけれど、値段順にきれいに並ぶわけでもない——わが家の5台は、そういう結果でした。
※金額はAmazonの購入履歴から拾いました。2016年の一台だけは店頭(ルミネ)で買っていて、レシートも履歴も残っていないため、記憶によるおおよその金額です。
※2008年の一台は、沸いても電源が切れなくなって壊れました。メーカー名は伏せます(18年前の製品なので、今のその会社の製品とは事情が違うはずです)。そのときの話は寿命の記事に書きました。

そもそも、ケトルの容量は何種類あるのか
調べてみると、電気ケトルの容量は実質2択でした。価格.comに載っている電気ケトルは、1L未満がおよそ120件、1〜2L未満がおよそ121件。2L以上はほとんどが電気ポット側で、ケトルではありません。
つまり迷うのは、「1L未満にするか、1L台にするか」だけ。選択肢が少ないぶん、ここを外すと毎日じわじわ効いてきます。
(掲載されている製品の数であって、売れている数ではありません)
「大は小を兼ねる」は、ケトルでは成り立ちにくい
大きいほうが安心、という考え方はよく分かります。私もそう思って1.7Lを買いました。ただ、使ってみると大きいことの代償がいくつかありました。
・満水にすると重い。持ち上げて注ぐのがつらい
・置き場所を取る
・使い切れず、残した湯を持てあます
最後のひとつは、人によって差が出ます。わが家は残ったお湯を沸かし直さず、毎回新しい水を入れて沸かしています。そうすると、大きいケトルほど捨てる水が増えるんです。
ここで「大きくても、少しだけ沸かせばいいのでは?」と思いますよね。私もそう考えていました。調べてみると、そのとおりでした。象印の1.2L・1.5Lのケトルは、カップ1杯(140mL)なら約60秒で沸きます。満水にすると1.2Lで約6分、1.5Lで約7分(象印公式の仕様。室温23℃・水温23℃)。
つまり少量だけ沸かすぶんには、大きいケトルでも時間は変わりません。「大は小を兼ねる」は、この点では成り立ちます。兼ねてくれないのは、時間ではなく重さと置き場所、そして使い切れない湯のほうでした。
ただ、その「使い切れない湯」も、機種によっては解決します。最少水量が小さいものがあるからです。たとえばデロンギのアイコナは、公式に「最少200mL〜最大1.0L」と書かれていました。少しだけ沸かす使い方が、はじめから想定されているということです。
大きめを選ぶなら、仕様欄の「最少水量」を見てください。ここが小さければ、大きいケトルでも少量で使えます。逆にここが大きいと、カップ1杯のために余分に沸かすことになります。
そう考えると、大きいケトルで本当に困るのは重さと置き場所の2つに絞られます。わが家が1.7Lを持てあましたのも、湯が余ったからというより、満水にすると重かったからでした。
容量を決める4つの軸
人数だけで決めないほうがいい、というのが実感です。次の4つで考えると、外しにくくなります。
1. 一緒に使う人数…自分だけか、家族や仲間の分もいれるか
2. 一度に使う量…コーヒー1杯なのか、ポット1杯分なのか
3. 頻度…1日に何度も沸かすのか、たまにか
4. 用途…コーヒー、お茶、カップ麺、料理の下ごしらえ
とくに3の頻度は見落とされがちです。毎回新しい水を入れて沸かす人なら、頻度が高いほど小さくていい。何度も沸かせばいいだけだからです。逆に、たまにしか沸かさないのに大きいものを買うと、持てあます湯が増えます。
用途から逆算すると、こうなります
・コーヒーを1〜2杯…小さめで十分。注ぎ口が細いものだと、湯を細くゆっくり落とせます
・家族でお茶やカップ麺…1L台があると、二度沸かさずにすみます
・料理の下ごしらえにも使う…湯の量が読みにくいので、1L台のほうが安心
・旅行に持っていく…小さいほど荷物になりません
私が旅行のときだけ持ち歩いていたのは400mlのミニケトルでした。家では使っていませんが、「一度に使う量と頻度だけで選ぶと、ここまで小さくなる」という極端な例です。
容量別に、実際の機種を見てみました
ここまでの話を、実際に売られている機種に当てはめてみます。わが家が使ったことのある機種ではありません。容量と、安全基準への対応で選んだ候補です。
0.8L|一人ぶん、コーヒー中心なら
ラッセルホブス ベーシックケトル プラス(7014JP)
わが家の一台と同じメーカーの現行モデルです。名前についている「プラス」は、転倒流水対策をした新しい世代という意味。10年使ってきた身としては、同じメーカーがいまも作り続けていること自体が安心材料です。
タイガー 蒸気レス電気ケトル(PCV-A080)
蒸気が出にくいので、棚の下や壁ぎわにも置けます。実家がタイガーを使っていて、決め手は「外側が熱くなりにくいこと」でした。置き場所に制約がある人はここを見ると早いです。
象印 STAN.(CK-PA08)
マットな質感で、同じSTAN.シリーズには炊飯器や電動ポットもあるので、キッチンで揃えられます。見た目の好みは人それぞれですが、シリーズで揃えたくなる雰囲気の素敵なデザイン。
1.0L|その中間がちょうどいい人に
デロンギ アイコナ・ヴィンテージ(KBOV1240J)
わが家で眠っている1.0Lと同じ「アイコナ」の名前がついていますが、あちらは細口、こちらは幅広の湯口です。同じシリーズでも、注ぎ口の形は違います。おもしろいのは湯量切替ボタンです。「フルモード」と「ドリップモード(少量)」をワンタッチで切り替えられます。幅広の湯口なのに、ボタンひとつで細く注げる——つまり「たっぷり注ぐ」と「細く注ぐ」が1台でできるということです。細口か幅広かで迷ってきた身としては、なるほどと思いました。転倒時湯もれ軽減構造もあります。
ヴィンテージの雰囲気が、インテリアにアクセントを添えてくれます。
※型番にご注意を。同じアイコナ・ヴィンテージでも、KBOV1200Jのほうは公式ページに転倒時湯もれ軽減構造と湯量切替の記載がありません(価格は1,000円ほど安い)。見た目はほとんど同じなので、色で選ぶ前に型番を確かめてください。
1.2L|二人以上、まとめて沸かすなら
タイガー 温度調節機能つき(PTV-A120)
温度を決めて沸かせるタイプです。正直に言うと私は温度調整を使わない派ですが、妹は温度が見えるのがよかったと言っています。お茶やコーヒーの温度にこだわる人、ミルクを作る人には効きます。
1.2Lのもう一台(この記事で沸騰時間を引用した象印の機種)は、記事の最後に置いています。
※細口で温度設定つきがいい方には、同じデロンギのアイコナ KBOE1260Jもあります。わが家の一台(温度設定なしの旧モデル)の、いまのかたちです。5段階の温度設定と60分の保温がつきました。
正直なデメリットと、向かない人
・小さいケトルは、一度にたくさんの人にお茶を出す家には向きません。人数ぶんを一度に沸かせず、何度も沸かすことになります
・大きいケトルは、一人暮らしには持てあましがちです
・どちらにしても、買ってみないと分からない部分は残ります
そして、ここがいちばん言いたいところかもしれません。容量を外しても、ケトルは壊れてくれません。
わが家の1.7Lがそうでした。途中から「これ、要らなかったな」と思っていましたが、壊れていないものを捨てるわけにもいかず、結局5年、我慢して使い切りました。
もちろん、満水にしなければ重くありません。毎回半分以下しか入れずに使っていました。でも、それを何年も続けているうちに気づきました——それなら、この大きさでなくてよかったんです。
容量を外すと、数年ぶんの「我慢」になります。数百円の差より、こちらのほうがずっと高くつきます。
まとめ
容量は人数だけでは決まりません。何に、どれだけ、どのくらいの頻度で使うか。そこまで込みで考えると、外しにくくなります。ケトルの選択肢は実質「1L未満」か「1L台」の2つ。迷ったら、いま自分が一度に沸かしている量を思い出してみてください。
わが家は0.8L → 1.7L → 1.2Lと使ってきて、今は1.2Lに落ち着いています。じつはコーヒー用に1.0Lの細口も買ったのですが、1.2Lがあまりに元気なので、いまは眠ってもらっています。それでも、自分で選んだ2台がどちらも「1L台」だったのは、偶然ではない気がします。1.7Lは、うちには要りませんでした。かといって、0.8Lにも戻りませんでした。
メーカーやタイプごとの選び方は、こちらにまとめています。

