スープをなめらかにしたい。でもミキサーは洗うのが大変そう。そんなとき気になるのが、鍋やカップの中で直接つぶせるハンドブレンダーです。
今回は、メーカーの取扱説明書や公式サイトを読み比べて、「買ってから知ると困りそうなこと」を整理しました。今回読んだ3社の公式情報では、どれも鍋やカップの中で使えるとされていましたが、使うときの条件は機種で違いました。
先に結論です。ハンドブレンダーはスープ・ポタージュ・離乳食向きの道具で、氷や冷凍食材は使えない機種が多いようです。そして意外だったのが、熱々のスープを鍋に入れたまま、そのまま使えるとは限らないことでした。
ミキサーとの違いは?
ハンドブレンダーは、棒状の本体を鍋やカップに入れて、その場でつぶして混ぜる道具です。容器ごと本体にセットするミキサーとは仕組みが違います。違いの全体像は、こちらの記事にまとめています。
ミキサー・ブレンダー・ジューサーの違いは?結局どれを買えばいいか整理した
氷や冷凍フルーツは砕ける?
ここは、ミキサー選びでもいちばん引っかかりやすいところです。今回読んだ公式情報では、次のとおりでした。
- テスコム スティックブレンダー(THM312/322)の取扱説明書:使えない材料に「氷/冷凍した食材/コーヒー豆/乾物」と記載
- 山善(YHBA-T120・YHBA-S120)の取扱説明書:調理禁止食材に「氷」「冷凍した野菜や果物」と記載
- パナソニック ハンドブレンダー(MX-S302・MX-S102):公式の比較表で、冷凍した食品と氷は使用不可
つまり、スティック状のハンドブレンダーで、氷や凍ったフルーツをガリガリ砕くのは基本的に想定されていません。冷凍フルーツのスムージーが目的なら、ミキサーのほうが向いています。ただしミキサーも機種によって冷凍の可否が違うので、次の記事も参考にしてください。
冷凍フルーツOKだと思ったらNG?ミキサー選びで確認したい意外な落とし穴
「氷を入れると壊れる?」と気になる人もいると思います。山善の説明書には、調理禁止食材を調理すると「故障・破損・けがの原因になります」と書かれています。テスコムの説明書にも、使えない材料を入れると「本製品が破損する恐れがあります」とあります。氷はどちらも使えない材料に入っているので、無理に入れないのが安全です。
ただし例外もあります。ブラウンの「マルチクイック7 MQ7035IGWH」は、公式の製品ページで同梱物に「アイス用カッター」が入っていて、「アイスカッターをセットすれば凍った果物や、氷までも素早く粉砕可能」と書かれています。型番によって付属品が違うことがあるので、買うときは型番ごとに公式ページを確認してください。
熱いスープは、鍋に入れたまま使える?
ポタージュを作るとき、「火にかけた鍋に直接入れて、そのままガーッとやる」姿を想像していました。ところが説明書を読むと、ここが一番意外でした。
- 山善(YHBA-T120・YHBA-S120とも同様):加熱調理中の鍋の中や、熱湯・煮え立った食材には使わない。40℃以上の熱い食材は入れず、常温に冷ましてから使う
- テスコム:鍋の中で使うときは火からおろしてあら熱を取り、カップに入れる材料は40℃程度まで冷ます
- パナソニック(公式FAQ):60℃以上の熱い材料は調理しない。人肌程度まで冷ましてから入れる
許容できる温度はメーカーによって違いますが、火を止めて、少し冷ましてから使うというのは共通していました。やけどや破損を防ぐための注意です。購入前にご自分の機種の説明書を確認してください。
鍋や容器は何を使えばいい?ガラスや陶器はNG?
「鍋やカップは何でもいいの?」という疑問も、よく検索されているようです。今回読んだ3社の説明書・FAQでは、次のとおりでした。
- 使えるもの:金属製・プラスチック製の容器や鍋(山善・パナソニック)
- 使えないもの:ガラス製(耐熱ガラス・強化ガラスも含む)や陶器など割れやすい容器(山善・テスコム・パナソニック)
- 山善の説明書では、袋やシリコン製など破れやすく、やわらかく変形するものも使えないとされています
- 鍋の傷:テスコムの説明書には「なべに傷が付く場合があります」、パナソニックの公式FAQには「鍋のフチや底にあたらないようにしてください(鍋に傷が付く原因)」とあります
「耐熱ガラスのボウルなら大丈夫」と思いがちですが、読んだ3社とも、ガラスは使えない容器に入っていました。鍋の底やフチに当たらないように使うのが基本で、気になるときは付属の専用カップで使う方法もあります。
どのくらい続けて使える?
もう一つ意外だったのが、使える時間の短さです。今回読んだ公式情報では、どれも定格時間は1分でした。1分使ったら休ませる必要があり、休止時間は説明書によって違います。
- テスコム:1分使用したら30分以上休ませる
- 山善:1分使用ごとに15分以上休止
- パナソニック:定格時間はブレンダー・チョッパーとも1分(休止時間は今回未確認)
ポタージュ1回分くらいなら足りますが、続けて何品も作る、という使い方には向かなさそうです。
離乳食にも使える?
テスコムと山善の説明書には、離乳食のレシピ例が載っています。たとえばテスコムには「にんじんペースト」「かぼちゃペースト」「10倍がゆ」、山善には「にんじんペースト(離乳食)」があります。やわらかく煮た野菜を、そのまま鍋やカップの中でつぶせるのは、たしかに便利そうです。
注意点は水分の少ないものです。テスコムの説明書では、じゃがいもやさつまいも、かぼちゃのマッシュのようなものは、重さの2/3以上の液体と混ぜるよう書かれています。山善も「ゆでたじゃがいも」を水分の少ない食材として挙げています。離乳食の進め方そのものは、お住まいの自治体や小児科の案内を確認してください。
洗うのは面倒?
「ミキサーより洗いやすい」と思って選ぶ人も多いと思います。ただ、洗い方は機種で違います。
- テスコム:食器洗い乾燥機や食器乾燥器は使わない。本体との接続部は水洗い禁止(ふき取り)
- 山善:カップやボトルなど一部の部品は食器洗い乾燥機が使える(80℃以下に設定できる機器のみ)
- パナソニック:機種・部品によって異なり、MX-S302・MX-S102では専用カップなどが割れやすくなる場合があるという注意書き
食洗機を使いたい人は、買う前に洗える部品を説明書で確認しておくと安心です。
3社の公式情報を並べてみた
| 項目 | テスコム THM312/322 | 山善 YHBA-T120/S120 | パナソニック MX-S302 |
|---|---|---|---|
| 熱い食材 | 40℃程度まで冷ます | 40℃以上NG・加熱中の鍋で使わない | 60℃以上は不可 |
| 氷・冷凍 | 使えない | 使えない | 使用不可 |
| 定格時間 | 1分(休止30分以上) | 1分(休止15分以上) | 1分(休止は未確認) |
| 食洗機 | 使わない | 一部の部品は可 | 機種・部品で異なる |
※各社の取扱説明書・公式サイトの記載をもとにしています。仕様は変わることがあるので、購入前に最新の公式情報をご確認ください。
氷までやりたいなら、ブラウンという選択肢
冷凍フルーツまでハンドブレンダーでやりたい、という人は、先ほどのアイス用カッター付きのブラウン「マルチクイック7 MQ7035IGWH」が候補になります。
MQ7035IGWHの公式ページでは、同梱物に「MCチョッパー500ml」と「アイス用カッター」が入っています。スティック本体で直接砕くのではなく、チョッパーにアイスカッターをセットして使う形のようです。リンク先の型番を確認してから選んでください。
ハンドブレンダーのデメリットは?向いている人・向かない人
向いている人
- スープやポタージュを、鍋やカップの中で手軽になめらかにしたい人
- やわらかく煮た野菜を、離乳食用につぶしたい人
- ミキサーを出して洗うのが億劫な人
- 洗い物を増やしたくない人(鍋やボウルの中で直接つぶせるので、移し替える容器が要りません)
向かない人
- 冷凍フルーツのスムージーを毎日作りたい人(ミキサーのほうが安心です)
- 火にかけた鍋に直接入れて、すぐ使いたい人(冷ます手間が要ります)
- 続けて何品も作りたい人(定格時間があります)
全部おまかせでスープを作りたい人は、ハンドブレンダーではなく自動調理ポットのほうが合うかもしれません。母が使っているレコルトの自動調理ポットは、こちらにまとめました。
レコルト自動調理ポット、買う前に知っておきたいこと|母の使い方と、取扱説明書で分かったこと
用途別に選ぶなら
スープ・離乳食が中心の人:山善のYHBA-S120とYHBA-T120は、どちらも説明書を読んで確認できました。S120は「つぶす・混ぜる」の1台2役で、ボトルが食洗機に使えます。T120はチョッパーや泡立て器にも付け替えられるタイプです。パナソニックMX-S302は、専用カップが付いて、スピード調整ができます。
冷凍フルーツや氷もやりたい人:ブラウンMQ7035IGWHの公式ページには、アイス用カッターが同梱されると書かれています。ブラウン公式の製品ページ
冷凍スムージーが主目的の人:ミキサーのほうが向いています。
まとめ
- 氷・冷凍は、読んだ説明書では使えない材料に入っていた
- 熱いスープは、火を止めて冷ましてから使う(40℃や60℃が目安の機種あり)
- 定格時間は1分で、続けて使うと休ませる必要がある
- 離乳食レシピは付いているが、水分の少ない食材は液体を足す
- 洗い方や食洗機の可否は機種で違う
取扱説明書は、買う前でもメーカーの公式サイトで型番を検索すると、PDFで読めることが多いです。候補が決まったら、「使えない材料」「熱い食材」「お手入れ」のページだけでも、一度開いてみてください。

